伝統技術の継承

これからの住宅業界の課題と町の大工がやるべき事

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伝統技術の継承

日本の風土・美観・住宅の使い方に合っている在来軸組工法

日本の建物は約75%が木造住宅で、その中の約70%は伝統的な在来軸組工法です。

在来工法は1000年以上前からある工法で、増改築、修繕、意匠的・美観的に優れてると言えます。

神社仏閣や新潟では豪農や庄屋跡、大きめな農家さんを中心に「セイガイ造り」と呼ばれる「梁・桁・垂木等の構造材などを見せる建物」が数多く有り、躯体は何十年も維持しています。

高温多湿の日本の住宅は木を構造体や仕上げ材も木を多用していて、美しい木目を生かした住宅は日本の住宅の特徴と言えます。

多くの材木に触れ、木の特性や使用した時のバランス等を考えながら作るのが一流の大工で「職人」ではないでしょうか?

リフォームが出来ない「組立て大工」が増えている。

悲しい話ですが、全国の大工職人は減少しており、特に20代~40代の若い大工が非常に少ないです。

大工職人が減少し、数少ない若手大工もハウスメーカーの新築下請けしかした事がない職人も少なくなく、住宅の構造や材木の加工や応用が全く出来ないという職人がいます。

リフォームでは数十年前の建物も多く、いざキッチンのリフォームをお願いしたら建て替えを勧められたという笑えない話もあります。

共通してることは「どの様に作られているかの基本が理解できていない」ということです。

若手育成と合理化

昔の職人は「技術は目で見て盗め」と聞いたことは有りませんでしょうか?

これは自分で見て考えて理解する事が、重要と言われてきました。

現在の職人不足、若手の育成を考えると、全否定する訳ではないですが「見て盗め」だけでは非効率です。

現在の大工を含めた建設業界も「効率化と合理化」が進められています。斉藤工務店もそれには賛同して若手職人には積極的に指導をしています。

ですがお客様にとっては「無駄なコストを抑えたい」「早く作って欲しい」というのは当然で、最終的に合理化は「お客様にも企業にもお互いメリットが有る事」と考えています。

町の大工としての義務と役割「地域の町医者」

新潟県は平成に入ってから中越地震、中越沖地震と2度の大震災を経験しました。

それ以外にも水害、小規模の地震や台風、大雪による凍結等、近年の異常気象にで安心した生活が脅かされています。緊急性の高い漏水や凍結、屋根の雨漏り他、緊急性の応急処理は地元の工務店であれば素早く応急処理が可能です。

それ以外にも「棚を作って欲しい」「建具の立て付けが悪い」「水道の出が悪い」など家の事で小さな作業や相談も気軽に相談できる「地域の町医者」と言う考えの元、総合的になんでも出来るのが町の大工であると自覚しています。